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■ D・A・T・A ■
名  称 アカシヤ(明石屋)
住  所 東京都千代田区神田岩本町15-2北原ビル1階
構  造 鉄筋4階建+増築 1927年(昭和2年)頃に建築
営業期間 1973年(昭和48年)~2019年(平成31年)4月27日(土)

 アカシヤが入居する北原ビルは昭和2年(1927年)に建築されたとの事。当時の日本は第一次世界大戦の戦勝国による好景気から一転、未曾有の大災害、関東大震災による復興途中であり、不景気の真っ只中だった。 北原ビルが当時としては最新鋭の工法である鉄筋コンクリート造を選ぶのは、関東大震災後における木造建築の耐火性の弱さからすると最良の選択肢ではあるが、当時の社会情勢からすると資金調達は容易では無かったのではないか。ちなみに秋葉原駅の北側に神田青果市場が開場するのは翌年の昭和3年だった。

竣工から十数年の後、その鉄筋コンクリート造が功を奏した。太平洋戦争における米軍の焼夷弾による空襲である。北原ビルは正面左側に石造りの階段があるのだが、そこに空襲によって焦げた跡が残されていた。現在、外神田と呼ばれる地区は、ほとんが全焼した本土空襲であったが北原ビルは大きな被害を受けることなく、平成の末期までその姿を残していた。

戦後は「北原プレス機械」「日本羅紗連合会」「日本天然色写真工業」「産業資材新聞社」などの会社が利用する一方、昭和46年から喫茶店アカシヤが1階に入居し、ビジネスマンや学生など多くの人に親しまれる憩いの場となっていた。

また、入居していたらーめん店「味楽」「汐屋まる長」も掲載する

■歴史ある外観 2008年~2015年
2012年 2011年
2008年:らーめん味楽 2011年:横の通路
2012年 2012年:特徴的な丸窓
2012年:産業資材新聞社が入居 2012年:奥のビルはほとんど再開発された
2013年 2013年
2013年 2013年
2013年 2013年
2015年 2015年
2015年 2015年
2017年 2017年
2017年 2017年
2017年 2017年

■2017年 アカシヤの隣に入居していた「らーめん汐屋まる長」が閉店

■北原ビルの隣の区民会館が解体(2017~2018年撮影)
『 北 原 商 店 』の文字が歩道橋からよく見えた

■アカシヤでのひと時
特製の『ACACIA』ロゴ入りカップ。いくつかは割れてしまい、数も少なくなっていた貴重なもの。

ドリンクメニュー
フードメニュー
レモンスカッシュ

■アカシヤ内観

L型のカウンターとテーブル席
照明器具は一部が山際電気(ヤマギワ)の物だった 捨てられる運命だった天狗の面は拾われて此処に

店主の妻の実家が喫茶店で、その店のテーブルや椅子を受け継いでいる

奥の絵画は店主の妻の父が描いたものだそう

店のデザインも店主の妻の実家の方が行ったそうだ

重厚感ある自動ドア

2階へと上る階段

途中の壁にコーヒーを摘む女性のレリーフ

並べられたコーヒーミル

ヴィンテージスピーカー
カウンターの奥には… 猫のイラストや常連客からの贈り物と

けけえす氏が撮影したドラマチックな写真がいつも置かれていた。

■北原ビル外観 2019年

2019年4月27日:最終営業日 閉店直後

2019年5月1日